「施設に入れば、最期までずっと暮らせる」と思っている方も多いかもしれません。
ですが、実際には、体調の変化や医療的ケアの必要性によって、退去や転居になるケースもあります。
私は介護付き有料老人ホームで勤務する中で、退去理由として
- 入院後に施設へ戻れなくなった
- 急変で亡くなられた
- 他施設(主に特養)へ転居された
など、さまざまなケースを見てきました。
今回は、介護施設で実際にあった退去・転居の例について、現場経験をもとにお話しします。
▼ 老人ホーム選びについて学びたい方には、こちらの本も参考になります。
介護施設でも退去になることはある
介護施設に入居すると、「もうずっとここで暮らせる」と感じる方も多いと思います。
もちろん、長く生活される方もたくさんいます。
ただ、体調や介護度が変化すると、施設での生活が難しくなる場合があります。
施設によって、対応できることとできないことがあるので、
“今の状態に合う場所へ移る”
というイメージのほうが近いかもしれません。
一番多かったのは“入院後に施設に戻れないケース”
私の経験(介護付き有料老人ホーム)で、一番多かった退去理由は、入院後に施設へ戻れなくなるケースでした。
例えば、
- 肺炎
- 心不全
- 持病の悪化
などで入院され、そのまま状態が大きく変化することがあります。
特に、
- 常時点滴が必要
- 頻回の痰吸引が必要
- 医療管理が増えた
このような状態になると、介護施設では対応が難しくなる場合があります。

施設によって対応できる医療行為は異なります。病院や医師、ご家族と相談しながら、療養型病院などへ移るケースもありました。
急変して、そのまま亡くなられる方もいた
高齢の方は、ある日突然、急変されることもあります。
私が経験した中では、
- 脳卒中
- 動脈瘤破裂
- 心疾患
などによる急変がありました。
さっきまで普通に過ごされていた方が、突然倒れることもありました。
介護施設で働いていると、「高齢者は、時には急変する」ということを実感します。
朝出勤したら、「◯◯さん、亡くなりました…」ということもありました。前日までお元気な方でした。

昨日までお元気だったのに、
夜間、脳卒中を発症され救急搬送した利用者様、
夕食までいつものように召し上がっていたのに、
食後のトイレで脳卒中を発症され
救急搬送した利用者様、
食事中に心疾患で意識がなくなり、
救急搬送した利用者様もいらっしゃいました
看取り対応で、施設で最期を迎える方もいた
一方で、すべての方が病院へ搬送されるわけではありません。
私が勤務していた施設では、看取り対応も行っていました。
ご本人やご家族が希望された場合は、住み慣れた施設で最期を迎えられる方もいました。
施設によって、
- 看取り対応をしているか
- どこまで医療対応できるか
は異なるため、入居前に確認しておくことは大切だと思います。
👉️ 施設見学で確認したいポイントはこちらで詳しく解説しています
よくある転居パターン
| 元の施設 | 転居先 | よくある理由 |
|---|---|---|
| 老健(介護老人保健施設) | ⏩️介護付き有料老人ホーム | 在宅復帰は難しいが、医療依存は高くない |
| 老健(介護老人保健施設) | ⏩️特養(特別養護老人ホーム) | 長期入所が必要になった |
| サ高住 (サービス付き高齢者向け住宅) | ⏩️介護付き有料老人ホーム | 介護量が増えた |
| サ高住 (サービス付き高齢者向け住宅) | ⏩️特養(特別養護老人ホーム) | 要介護度が上がった・費用負担軽減 |
| グループホーム | ⏩️特養(特別養護老人ホーム) | 介護量増加・医療対応が必要になった |
| 介護付き有料老人ホーム | ⏩️特養(特別養護老人ホーム) | 費用負担を抑えたい |
| 介護付き有料老人ホーム | ⏩️療養型病院・医療施設 | 医療的ケアが増えた |
| 特養 | ⏩️病院 | 急性期治療が必要になった |
※施設によって受け入れ条件や医療対応範囲は異なります。
※地域や空き状況によっても流れは変わります。
👉️ 介護施設の種類と特徴はこちらで詳しく解説しています
転居で一番多かったのは特養への入所
私が勤務していた介護付き有料老人ホームでは、
転居で一番多かったのは、特別養護老人ホーム(特養)への入所でした。
特養は、原則として要介護3以上の方が対象になります。
費用が比較的安いため、
「空きが出たら特養へ移りたい」
と希望されているご家族も多かったです。

介護付き有料老人ホームに入居しながら特養を待ち、順番が来たタイミングで転居される方は、珍しくありませんでした。
グループホームへ移る方もいた
介護付き有料老人ホームでは、数は多くありませんでしたが、
グループホームへ転居された方もいました。

グループホームは、少人数で落ち着いた環境のため、
- 認知症の症状に合っていた
- 家庭的な雰囲気を希望された
などの理由で移られるケースもありました。
ただ、私の経験では、数年に一人いるかどうか程度でした。
まとめ
介護施設への入居は、「終の住処」になる場合もあります。
ですが、体調や介護度の変化によって、退去や転居が必要になることもあります。
ただ、それは決して特別なことではありません。
その時の状態に合った場所へ移ることで、本人にとっても、ご家族にとっても、より安心して生活できる場合があります。
「退去」の話が出た時に、戸惑うことがないように、事前確認が必要です。
- どこまで医療対応できるのか
- 看取り対応はあるのか
- どのような状態変化の時に退去になるのか
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