認知症の介護は、ある日突然「もう自宅では難しいかもしれない」と感じる瞬間が訪れます。
この記事では、実体験をもとに
- 在宅介護の限界を感じた瞬間
- 認知症の進行による危険行動
- 施設入所を検討するタイミング
について、専門的な視点も交えてお伝えします。
認知症の症状は、大きく「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」に分けられます。
この違いを理解しておくことで、症状への受け止め方や対応が大きく変わります。
▶「まずは介護保険の基本を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください」
▶「認知症のチェックポイントは、こちらでまとめています」
▼ 介護についてわかりやすく学びたい方には、こちらの本も参考になります。
認知症が進行した母との同居生活の始まり
認知症が進行した母の対応に困った父。
夫婦で力を合わせて家業を営んできたので、父の負担も増えていました。
私は県外に住んでいたため介護離職をして、実家での同居生活を始めました。
安心感とともに進んだ認知症の症状
私が常にそばにいる安心感からなのか、それとも病気の進行によるものなのか、母の認知症はさらに進行していきました。
認知症は、環境の変化や心理的要因だけでなく、脳の器質的変化(神経細胞の変性)によって進行する疾患です。
そのため、家族がどれだけ関わっても進行を完全に止めることはできません。
火事のリスク|保温ポットをガスコンロに
いつもやかんでお湯を沸かして、保温ポットににお湯を入れています。
今は水を入れればお湯になる便利な電気ポットがありますが、
手順が変わると、どうしたらいいのか理解できなくなっていたので、
使い慣れたやかんと保温ポットを使い続けていました。

ある日、気づくと母が保温ポットをガスコンロにかけていました。

やかんと間違えたようです。
数十秒後、ガスコンロから「ピーッ!」という警報音。
母は、まだ味噌汁だけは作っていてガスコンロを使うことがあったので、このままでは、火災事故につながる危険性を強く感じました。

認知症が進行すると、
物の誤認(やかんとポットの区別がつかない)、
正しい使い方がわからなくなったり、
危険の認識ができなくなるので、
要注意ですね。
👉 物の誤認・手順の障害・判断力の低下を実行機能障害(前頭葉機能の低下) と呼ばれます。
👉「火の不安がある場合は、IHコンロや見守り機能付きの機器を検討するのも一つの方法です」
在宅介護の限界と家族の負担
私も退職しており、父も在宅だったため、
どちらかが必ず家にいる体制をとることができました。
しかし、ひとりで介護をしている方、仕事をしながら見守りをする方も多く…在宅介護は非常に大きな負担になります。
認知症の「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」とは
認知症の症状は、大きく「中核症状」と「周辺症状(BPSD)」に分けられます。
この違いを知っておくことで、対応の仕方や考え方が大きく変わります。

物盗られ妄想や暴言・暴力などは「周辺症状(BPSD)」にあたります。
これらは関わり方や環境によって強くなることがあります。
施設で見てきたケースからわかること
施設で働いていたとき、さまざまなケースを見てきました。
■ 家族に対する物盗られ妄想により施設へ

- 財布や物がなくなったと訴える
- 家族を疑う(一番関わっている身近な家族を疑うことが多い)
- 関係性が悪化し、一緒に暮らせなくなる
これは
👉 被害妄想(認知症に伴う行動・心理症状:BPSD)
の一つです。
■ 家族に対する暴言・暴力。入院後、服薬調整して施設へ

- 怒鳴る
- 手が出る
- 介護者が恐怖を感じる
このような場合、
👉 精神科入院 → 薬物療法(抗精神病薬など)による調整
家族が「怖くて一緒に暮らせない」という状態になることも珍しくありません。服薬調整後、施設入所となるケースもあります。

距離を置くことで、
親子の関係性が良くなることも多いですよ
施設も、暴言・暴力のある方の受け入れは難しいことが多いです。他の利用者様の安全な生活を守れない可能性があるためです。
施設入所を検討すべきタイミング
在宅介護を続けるかどうかの判断はとても難しいですが、
以下のような状況は一つの目安になります。
■ 命に関わるリスクがある場合
■ 家族の限界を感じたとき
■ BPSDが強い場合
👉 このような状態になったときは、
「頑張りすぎる」のではなく「環境を変える」「距離を置く」ことも大切です。
▶すぐに施設が難しい場合は、デイサービスの利用を始める方法もあります。詳しくはこちらで解説しています。
▶施設に泊まることができるショートステイの利用もあります。詳しくはこちらで解説しています。
まとめ
認知症の介護は、家族の愛情だけでは乗り越えられない場面があります。
私たちはたまたま2人で対応できましたが、
それでも「火事の不安」は常にありました。
- 命に関わるリスクがある
- 家族の心や体が限界に近い
この2つが重なったとき、
👉 施設を検討するのは自然な流れです。
無理をし続けることが、必ずしも良い介護ではありません。
▶調理が難しい人のための配食サービスについて、こちらの記事で詳しく解説しています。
👉「在宅介護を続けるための便利グッズはこちらでまとめています」
👉「安全対策グッズについては、こちらの記事で詳しく紹介しています」
にほんブログ村

コメント