認知症が進むと、「怒りっぽくなる」「被害妄想が出る」「徘徊する」などの行動や心理の変化が見られることがあります。
これらは周辺症状(BPSD)と呼ばれ、介護する家族にとって大きな負担になることも少なくありません。
この記事では、BPSDの具体例や対応方法に加えて、在宅介護の限界や、施設を検討するタイミングについてもわかりやすく解説します。
▼ 認知症介護についてわかりやすく学びたい方には、こちらの本も参考になります。
BPSD(周辺症状)とは
認知症には「記憶障害」などの中核症状のほかに、行動や心理にあらわれる症状があります。
これがBPSD(行動・心理症状)です。
本人の性格が変わったように見えることもあり、家族にとって大きなストレスになることがあります。
▶認知症の中核症状と周辺症状について、こちらで詳しく解説しています。
よくあるBPSDの具体例
- 怒りっぽくなる・暴言
- 被害妄想(物を盗られたと思い込む)
- 徘徊
- 不安・落ち着きのなさ
- 無気力・意欲低下
👉 どれも本人の意思ではコントロールしにくい症状です
BPSDが起こる原因
BPSDは性格ではなく、さまざまな要因が重なって起こります。
- 不安や混乱
- 環境の変化
- 体調不良(痛み・便秘など)
- 薬の影響
- コミュニケーションのすれ違い
👉 「困った行動」ではなく「困っているサイン」と捉えることが大切です
在宅でできる対応方法
- できるだけ、否定せず受け止める
- 安心できる環境を整える
- 生活リズムを整える
- 医療機関に相談をする
👉ただし、すべてを家族だけで抱える必要はありません。ケアマネージャーや包括支援センターに相談しましょう
▶包括支援センターについて、こちらで詳しく解説しています
イライラしてしまうとき…
介護の中で、以下のような状況が続くと、誰でもイライラしてしまいます。
- 何度も同じことを言われる
- 理不尽に怒られる
- トイレが認識できない等、不潔な行為をする
- 休む時間がない
- 疲れがたまる
- 眠れない

このようなことが続くと
家族は辛いですよね…
つい、口調がきつくなったり
冷たく接してしまうこともあります。
👉 こうしたことは、誰にでも起こりうることです
「虐待しそう」と感じたら…
「このままだと優しくできない」「強く当たってしまいそう」
そう感じたときは、無理をしているサインです。
👉 この段階で以下を検討することは、とても大切な判断です。
高齢者虐待の種類
高齢者虐待にはいくつかの種類があります。「特別なこと」ではなく、気づかないうちに起きてしまうケースもあるため、知っておくことが大切です。

身体的虐待
叩く、無理に押さえつける など
心理的虐待
怒鳴る、無視する、傷つく言葉を言う など
介護放棄(ネグレクト)
必要な介護をしない、放置する
経済的虐待
お金を勝手に使う、管理させない
性的虐待
性的な言葉や行為によるいやがらせや強要など
👉 特に在宅介護では心理的虐待(強い言葉など)が起こりやすいと言われています
虐待かもと思ったときの相談先
「もしかして虐待かも」と感じたときは、
一人で抱え込まずに相談することが大切です。
- 地域包括支援センター
- 市区町村(高齢者福祉の窓口)
👉 匿名で相談できる場合もあります
▶包括支援センターについて、こちらで詳しく解説しています
■ 通報は特別なことではありません
ケアマネジャーなどの専門職は、
虐待を発見した場合に通報する役割があります。
これは
👉 本人と家族の両方を守るための仕組みです

母を自宅で介護をする時、事業所と契約しました。
契約の中に、
「虐待と思われたら、通報します」
という内容を説明されました。
■ 家族も相談していい
「通報=悪いこと」と感じる方も多いですが、
- このままでは危ない
- 自分が限界に近い
そう感じたときに相談することは、
とても大切な行動です。
相談することは「誰かを責めるため」ではなく、
本人と家族の両方を守るための大切な行動です。
施設を検討するタイミング
- 徘徊などで安全に不安がある
- 介護者の体調・メンタルが限界
- イライラが続き優しくできない
- 家族関係が悪化している
👉 施設は「最後の手段」ではなく
安心して生活するための選択肢です
環境が変わることで、BPSDが落ち着いたり、距離を置くことで、家族関係が修復することも多いです。
まとめ
認知症の周辺症状(BPSD)は、本人も苦しんでいるサインです。
そして介護する側も、知らないうちに限界に近づいてしまいます。
- イライラしてしまう
- 優しくできない
- このままでは危ないと感じる
👉 そんなときは無理をせず、
相談や環境の見直し(施設など)を考えてみてください。
介護は、一人で抱えなくていいものです。
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