言語聴覚士(ST)さんというと、「話し方のリハビリをする人」というイメージがあるかもしれません。
実は、食べる・飲み込む機能(嚥下機能)の評価やリハビリも専門分野です。
母も入院中から在宅までSTさんに関わっていただき、嚥下訓練や評価を受けていました。今回は、STさんから教わったことや、経口摂取を終了するまでの経緯についてお話しします。

言語聴覚士(ST)は、
「話すリハビリの先生」でもあり、
「食べるリハビリの先生」でもあります。
- 嚥下(えんげ):食べ物や飲み物を飲み込むこと
- 誤嚥(ごえん):食べ物や飲み物が気管に入ってしまうこと
- 経口摂取(けいこうせっしゅ):口から食べたり飲んだりすること
- 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん):誤嚥が原因で起こる肺炎
入院中の嚥下(えんげ)指導|飲み込みのリハビリ
母は入院中、言語聴覚士(ST)さんの指導のもとで嚥下(えんげ)訓練を受けていました。
3口〜5口ほどの水分ですが、飲む練習では、誤嚥しにくいように強めのとろみを付けていました。
私自身も介助のコツを教えていただきました。
母の場合は、飲み物を口の中にため込んでしまうことがありました。そのような時は、スプーンで舌を軽く「チョンチョン」と触って刺激を与えることで、飲み込みを促せることがあるそうです。
ただし、このような方法は本人の状態によって異なります。必ずSTさんなど専門職の指導を受けたうえで行うことが大切です。
とろみ剤を使った水分補給
嚥下機能が低下すると、水やお茶のようなサラサラした飲み物は気管に入りやすくなります。
そのため、とろみ剤を使って飲み込みやすくすることがあります。
とろみの濃さも人それぞれです。
「少しだけ付ければよい人」
「しっかり付けないと危険な人」
がいるため、自己判断ではなく専門職の評価を受けることをおすすめします。
在宅でSTさんの評価を受けて

退院後は訪問リハビリで言語聴覚士(ST)さんにも来ていただきました。
母の飲み込みの状態を評価してもらった結果、
「むせやすく、誤嚥のリスクが高い状態」
との判断でした。
そのため、経口摂取は中止することになりました。
私自身も時々、一口だけ口から食べてもらおうと試みることがありました。
しかし、一口目は入っても、二口目になると母は口を固く閉じてしまいます。
今思えば、それは拒否のサインだったのかもしれません。
その姿を見て、
「もう口から食べる時期は終わったのだな」
と感じました。
「食べさせたい」という家族の気持ち
介護施設で働いていた頃、利用者さんのご家族から
「好きだったものを食べさせてあげたい!」
という言葉を聞くことがありました。
その気持ちはとてもよく分かります。
私も母に対して同じ気持ちを持っていました。
しかし、中には本人が飲み込めない状態になっているにもかかわらず、無理に口を開けさせて食べさせようとする場面を見ることもありました。
好きだった甘いものを少しでも食べてほしい。
その愛情からの行動です。
ですが、飲み込む力が低下している状態では、その一口が誤嚥につながる可能性があります。
誤嚥は誤嚥性肺炎の原因となり、命に関わることもあります。
「食べさせたい」という気持ちと、「安全を優先する」という判断の間で悩むご家族は少なくありません。
だからこそ、家族だけで判断せず、言語聴覚士(ST)さんや医師、看護師など専門職の評価を受けることが大切だと思います。
👉️食事介助のコツについて、訪問介護の身体介護とは?の記事の中で解説しています。
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母は入院中から言語聴覚士(ST)さんの指導のもとで嚥下訓練を受け、とろみを付けた飲み物で練習していました。
しかし、在宅で改めて評価を受けた結果、誤嚥の危険性が高いことが分かり、経口摂取を終了しました。
家族としては「少しでも食べさせたい」と思うものですが、
口を固く閉じる——その小さなサインが、母の意思を教えてくれたように感じています。
無理な経口摂取は誤嚥性肺炎につながる危険があります。
食べる・飲むという大切な行為だからこそ、自己判断ではなく、言語聴覚士(ST)さんなど専門職の評価を受けながら進めることが大切だと感じています。
🌸「訪問リハビリってどんなことをするの?」と思ったら、こちらで詳しく解説しています。
🌸「訪問看護ってどんなサービス?」については、こちらで詳しく解説しています。
🌸「退院前に何を準備すればいい?」については、こちらで詳しく解説しています。
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