介護が必要になると、夜間のトイレが不安になる方も多くいます。
夜中に無理をしてトイレまで歩こうとして、転倒してしまうケースも少なくありません。
そんなときに役立つのが、**ポータブルトイレ(腰掛便座)**です。
ポータブルトイレは、介護保険を利用して購入することができる福祉用具のひとつです。
この記事では、
- ポータブルトイレとはどんなものか
- 介護保険で購入できる仕組み
- 使うときの注意点
などを、ホームヘルパーとして働いていた経験も交えてわかりやすく解説します。
▼ 介護についてわかりやすく学びたい方には、こちらの本も参考になります。
介護保険で購入できる福祉用具(特定福祉用具販売)
介護保険では、一定の福祉用具を購入することができます。
対象になるのは、次の6種類です。
移動用リフトの吊り具の部分
腰掛便座
自動排泄処理装置の交換可能部品
排泄予測支援機器
簡易浴槽
入浴補助用具
入浴補助用具については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
レンタルと購入が選べる福祉用具
歩行器
歩行補助つえ
スロープ
2024年の介護保険制度改正により、
歩行補助杖・歩行器・固定用スロープはレンタルと購入のどちらも選べるようになりました。
介護保険で購入できる上限額
福祉用具購入費は
4月1日〜翌年3月31日までの1年間で10万円まで
利用することができます。
支払い方法は、
- いったん全額を支払う
- 市区町村に申請する
- 介護保険分が払い戻される
介護保険負担割合が
- 1割負担 → 9割戻る
- 2割負担 → 8割戻る
- 3割負担 → 7割戻る
仕組みになっています。
介護保険負担割合は、こちらの記事で詳しく説明しています。
現場でよく使われていた福祉用具
私がホームヘルパーとして働いていたときには、
- 入浴補助用具
- 腰掛便座(ポータブルトイレ)
- 歩行器
- 歩行補助つえ
を使用している利用者様が多くいらっしゃいました。
この記事では、その中でも**腰掛便座(ポータブルトイレ)**について詳しく紹介します。
ポータブルトイレ(腰掛便座)とは
日中はトイレまで歩いて行けても、
夜間はふらつきや転倒の危険がある方が多くいます。
そのため、ベッドの横にポータブルトイレを置いて使用している利用者様もいました。
夜中に無理をしてトイレまで行こうとして転倒するより、
安全に排泄できる環境を作ることが大切です。

滑り止めの効果もあり、床の汚れを防ぎます。⏬️
ポータブルトイレの使い方
ポータブルトイレのバケツの中には、少量の水を入れておきます。
その中に排泄することで、汚れが付きにくくなります。
さらに、水の中には臭いを軽減するための消臭液を入れて使うことが一般的です。
消臭液は無色タイプがおすすめ

消臭液は、無色がおすすめ!
尿の濁りや血尿に早く気づけます。
市販の消臭液には、濃い青色のものが多くあります。
見た目は青色の液体の方がいいですが、
- 尿が濁っている
- 血が混じっている
といった尿の異常に気づきにくいです。
無色であれば、尿の色の変化がわかりやすく、
体調の変化や病気に気づきやすくなります。
ポータブルトイレの種類
ポータブルトイレにはさまざまな種類があります。
家具調ポータブルトイレ
樹脂製ポータブルトイレ
家具のような見た目の「家具調ポータブルトイレ」は、
室内に置いても違和感が少ないものもあります。
温水シャワータイプもあります。
毎日使うものなので、
部屋に置いても自分が納得できるものを選ぶことが大切です。
ポータブルトイレの注意点(デメリット)
バケツの中の排泄物をトイレに捨てる必要があるため
- 家族の協力が必要になる
- 独居の場合は対応が難しいこともある
家族が対応できない場合は、
訪問介護(ホームヘルパー)に手伝ってもらうことも可能です。
ケアマネージャーに相談しましょう。
ポータブルトイレを使うときの大事なポイント

ポータブルトイレを置く位置や動線、
大切だから相談してくださいね。
ポータブルトイレを使うときは、ベッドから安全に移動できる位置に置くことがとても大切です。
遠すぎると、夜間に歩く距離が長くなり、転倒の危険が高くなります。
反対に近すぎても、立ち上がるスペースがなく使いにくいことがあります。
また、次のような点にも注意しましょう。
足元を安全にする
夜間は暗く、足元が見えにくくなります。
- カーペットのめくれ
- 電気コード
- 小さな家具
などにつまずくことがあるため、ポータブルトイレまでの動線はできるだけシンプルにしておきましょう。
小さな足元ライトをつけておくと安心です。
手すり代わりになるものを置く
立ち座りのときに、つかまれる場所があると転倒予防になります。
- ベッドの手すり
- ポータブルトイレのひじ掛け
- ひじ掛けのある椅子のひじ掛け
などを活用すると、安全に使いやすくなります。

最初は昼間に練習しておく
いきなり夜に使うのではなく、昼間のうちに一度使ってみることをおすすめします。
- 立ち上がりやすいか
- 座りやすい高さか
- 使いにくくないか
- ベッドからポータブルトイレまでの動線がスムーズか
昼間、確認しておくことで、夜間も安心して使用できます。
ポータブルトイレの価格の目安
ポータブルトイレは種類によって価格が大きく違います。
一般的な目安は次のとおりです。
- シンプルなタイプ:1万円〜2万円程度
- 家具調ポータブルトイレ:2万円〜5万円程度
家具のような見た目のものは、部屋に置いても違和感が少なく、人気があります。
介護保険で購入することにより、上記金額の1割〜3割負担で購入できます。
このように、介護保険を利用すると負担を大きく減らして購入することができます。
ポータブルトイレがレンタルできない理由
ポータブルトイレ(腰掛便座)は、介護保険ではレンタルではなく購入対象の福祉用具になっています。
その理由は、排泄に直接関わる衛生用品だからです。
ポータブルトイレは、毎日排泄に使用するため、どうしても臭いや汚れが付着します。
そのため、他の利用者と使い回すレンタルには向いていない福祉用具とされています。
同じ理由で、
- 入浴補助用具
- 簡易浴槽
なども、身体に直接触れる衛生面の配慮が必要な福祉用具のため、購入対象になっています。
介護保険では、こうした衛生面への配慮から、
排泄や入浴に関係する福祉用具は「購入」で利用する仕組みになっています。
まとめ
ポータブルトイレ(腰掛便座)は、夜間の転倒を防ぐためにも役立つ福祉用具です。
介護保険を利用すると、1年間で10万円まで購入費の補助を受けることができます。
種類も多く、家具調のものなど室内に置いても違和感の少ないタイプもあります。
毎日使うものなので、本人が使いやすく納得できるものを選ぶことが大切です。
また、排泄物の処理が必要になるため、家族の協力や訪問介護の利用を検討することも大切です。
夜間にトイレまで行くのが不安な場合は、無理をせずポータブルトイレの利用も検討してみましょう。
※転倒防止の記事として、「入浴の安全対策の記事」・「住宅改修の記事」でも詳しく説明しています。
🌸 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回の記事でも、あなたの不安が少し軽くなりますように。🌸
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