ヘルパーに調理はどこまで頼める?断られる理由と対処法【介護福祉士が解説】

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「ヘルパーさんに『ついでに家族の分も』とお願いしたら、断られてしまった」
「ケアマネジャーさんに『調理は本人の分だけです』と言われて、戸惑っている」

在宅で介護をされているご家族から、こうしたお悩みをよく聞きます。でも、先にお伝えしたいのは、断られるのは介護保険の制度上のルールによるということです。

私は介護福祉士で、施設のケアマネジャーを務めた経験もあります。平成20年代には、訪問介護のヘルパーとして利用者さんのお宅で調理支援もしていました。

この記事では、その現場の実感を交えながら、「ヘルパーに調理はどこまで頼めるのか」「断られたあと、どうすればいいのか」をやさしくお伝えします。

▼ご家庭で高齢者の食事を作る場合は、こちらの本も参考になります。

ヘルパーに頼める調理・頼めない調理

訪問介護の「生活援助」(調理や掃除などの家事支援)で一番大事なルールは、作れるのは利用者さん本人の分だけ、ということです。これは介護保険が始まったときから変わっていません。一覧にすると、次のようになります。

内容頼める?ひとこと
利用者さん本人の食事づくり頼める生活援助の基本です
ご家族の分の調理頼めない「本人の分だけ」が原則
おせち・行事食など手の込んだ料理頼めない特別な料理は対象外
同居のご家族がいる場合の調理原則頼めない※家族が家事をできる状態なら生活援助自体が使えないことも

※同居のご家族が普通に家事をできる状態であれば、生活援助そのものが原則として使えません。ただし、ご家族が障害や病気などで家事が難しい場合は、例外的に使えることがあります(あとで詳しくお話しします)。

なぜ家族の分は作れないのでしょうか。

訪問介護の生活援助は、介護保険を利用するご本人のためのサービスだからです。

しかも、ヘルパーがどんな支援をするかは、ご本人・ご家族・ケアマネジャーが相談して立てたケアプランであらかじめ決まっていて、ヘルパーの判断で内容を変えることはできません。

制度上そう決まっているのです。

利用者さん
利用者さん

うちのお父さんの分も作ってくれたら

助かるんだけどね〜

ヘルパー
ヘルパー

ごめんなさいね。

作ってあげたいけど、決まりでできないんです。

▶ 訪問介護の生活援助でできること・できないことの全体像は、こちらで詳しく解説しています。

「昔はもう少しゆるかった?」——元ヘルパーの実感

私がヘルパーをしていた頃は、ご夫婦暮らしのお宅で、奥さまが介護保険の利用者、ご主人は認定を受けていない、というケースもありました。

当時は「少し多めに作って、ご夫婦で召し上がってくださいね」という雰囲気の現場もあったのです。

ただ、その後、制度の運用は少しずつ整理され、現在は「本人のための支援」がより明確に求められる事業所が多い印象です。

今は「家族の分も少し多めに」というお願いは、基本的にできないと考えてください。「昔できたから」と現場のヘルパーさんにお願いしても、困らせてしまうだけになってしまいます。

味付けも、ご家庭の数だけ——調理支援現場の話

制度とは別に、ヘルパー時代に私自身が感じていた「調理支援の難しさ」もお話しします。

味付けは家庭ごとにちがう

まず、味付けです。

同じ肉じゃがでも、「もっと薄味で」「もっと濃くして」と、ご家庭によって好みは本当にさまざまです。

私がおいしいと思った味でも、「もう少ししょうゆを足して」と言われることもありました。

ですから毎回、利用者さんに味見をしていただき、そのご家庭の味に近づけるよう心がけていました。

ヘルパーにも得意・不得意がある

ヘルパーは調理の専門職ではありません。

料理が得意な人もいれば、あまり得意ではない人もいます。

利用者さんから「前のヘルパーさんの料理はちょっと…」と相談されることもありました。

はるひ
はるひ

限られた時間で、よそのお宅の台所を借りて、

冷蔵庫の中の食材を使って、その家の味を再現する。

とても難しい仕事だと思います。

もしヘルパーさんの食事に物足りなさを感じても、手を抜いているわけではないことは、知っておいていただけたらうれしいです。

▶ 在宅介護に限界を感じはじめたときのサインについては、こちらで詳しく解説しています。

断られた・物足りないときの3つの選択肢

では、調理を断られたり、食事に物足りなさを感じたりしたとき、どうすればいいのでしょうか。現実的な選択肢は3つあります。

まずはケアマネジャーに相談してプランを見直す

「同居のご家族がいるだけで一律にダメ」というのは、実は誤りです。

ご家族が仕事で日中いない、病気や障害で家事が難しい、といった事情があれば、生活援助が使える場合もあります。

運用は市区町村や事業所によって差があるので、「うちは無理」と自己判断であきらめる前に、一度ケアマネジャーに事情を話してみてください。

家族の分も頼みたいなら「保険外(自費)」のサービス

「どうしても家族の分も一緒に作ってほしい」というときは、介護保険を使わない「保険外(自費)」の介護サービスという選択肢があります。

全額自己負担になるかわりにルールがぐっと自由になり、ご家族の分の調理もお願いできます。

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ふだんの食事は「宅配弁当(配食サービス)」でまかなう

とはいえ、毎日の食事をその都度ヘルパーさんや自費サービスにお願いするのは、費用も段取りも大変です。

そこでおすすめしたいのが、高齢者向けの「宅配弁当(配食サービス)」です。

宅配弁当には、大きく2つのタイプがあります。スタッフさんが手渡しで届けてくれるタイプと、冷凍のお弁当が宅配便でまとめて届くタイプです。

比較項目手渡しタイプの配食サービス冷凍宅配弁当
配達方法スタッフが毎日(または定期的に)手渡しで配達宅配便でまとめて届く
安否確認◎ 配達時に顔を見て様子を確認してもらえる× 安否確認はない
食べるタイミング配達された食事をそのまま食べる食べたいときに電子レンジで温める
保存基本的に当日中に食べる冷凍庫で長期間保存できる
利用の自由度配達時間に合わせる必要がある必要な日だけ利用できる
ご夫婦での利用○ 利用できる○ 利用できる
食事内容普通食が中心(会社によってやわらか食なども対応)普通食・塩分調整食・糖質調整食・やわらか食・ムース食など種類が豊富
向いている人食事と見守り・安否確認もしてほしい方ヘルパーが来ない日の食事や、好きなタイミングで利用したい方

私がヘルパーをしていた頃も、配食サービスを利用している利用者さんはたくさんいました。手渡しタイプは、配達のときに顔を見てもらえるので、安否確認にもなるのが魅力です。

▶ 手渡しタイプの配食サービス(安否確認の役割)については、こちらで詳しく解説しています。

手渡しタイプは会社ごとにメニューや料金が違うので、複数のサービスをまとめて比較して、無料で資料請求できる窓口を使うと選びやすいです。

冷凍タイプの良さは、必要な日にだけ使えることです。

冷凍庫にストックしておけば、ヘルパーさんが来ない日に電子レンジで温めるだけ。火を使わないので、調理をしたことのない方でも扱えます。

管理栄養士が監修しているので、塩分などを抑えた調整食から、噛む力が弱くなった方向けのやわらか食・ムース食まで選べます。

冷凍タイプでおすすめしたいのが「健康直球便」です。高齢者向けの配食サービスを全国で長く手がけてきた会社が運営する冷凍弁当の通販で、最短翌日に届くので、「明日からの食事、どうしよう」という急な困りごとにも間に合います。

最短翌日着 便利な冷凍弁当【健康直球便】

また、糖尿病や腎臓病などで、お医者さんから塩分やたんぱく質などの制限を指示されている方には、栄養価を徹底管理した宅配食を専門にしている会社もあります。

こちらは冷凍もしくは冷蔵で配達されています。

総出荷600万食突破!栄養価を徹底管理した健康宅配食【メディカルフードサービス】

まとめ

  • ヘルパーさんは、ケアマネジャーを交えて決めたプランと制度のルールに沿って仕事をしています。
  • 家族の分の調理や行事食は、介護保険の生活援助では頼めません。
  • 同居家族がいる場合も「一律ダメ」ではなく個別に判断されます。あきらめる前にケアマネジャーへ相談を。
  • 物足りないときは、(1)プランの見直し、(2)保険外サービス、(3)宅配弁当、の3つが現実的な選択肢です。

無理を続けるよりも、頼れるサービスを上手に利用することも、介護を長く続けるための大切な方法です。あなたとご家族の毎日が、少しでも穏やかになりますように。

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